宝石の国

今年、一番楽しみに毎週見ていた宝石の国が終わってしまった。

正直最終回はスッキリしなかったので2期をやってほしい。やらないなら原作を読むしかない。噂によるとここから更にしんどくなっていくらしいので迷う。この作品は映像や音楽も含めて好きだったのでできればアニメで。

 

アニメを普段そこまで見ない自分が、結構内容のしんどい宝石の国をなぜ見続けられたのかを考えてみた。一つの結論としては、宝石には「死」という概念がないからだと思った。

作品における大きな展開の一つとして、バトル系の作品ではやはり主要キャラの敗北は欠かせない。それが見る人間を惹きつけるものだったりするが、そこで死んでしまうと主要キャラのファンは悲しんでしまう。

だからと言って主要キャラが絶対に負けないと締まりが全くない作品になる。

 

 

僕自身、主要キャラが死んでしまう作品は好きではない。

その点、死ぬまではいかないが、こちら側に絶望感を与えてくる作品は上手いと思うし好きになりやすい。

今回の宝石の国では、宝石には「死」という概念がないが、敵対する月人に連れ去られてしまうことが「死」に限りなく近いものとして描かれている。

ただ、月人に連れ去られてもそれを取り戻す事ができる可能性が一応ゼロではないのが非常に上手いと思う。ほんの一握りでも希望がある方が見続けられるのだと感じた。

 

他にも上手い、と思える作品でパッと思いついたのは「金色のガッシュ‼︎」と「ガールズ&パンツァー」だ。

「金色のガッシュ‼︎」の勝敗の判定は魔物の本を燃やすことによって行われる。相手の魔物の本を燃やせば勝負に勝てるので「死」という概念が勝負にチラつくことは少ない。人間が「死」に限りなく近づくシーンはあるが、かなりのレアケースである。

勝負に負けたとしても魔物は人間界から魔界に帰るだけである。主要キャラがいつ負けてもおかしくない、というドキドキ感はありつつも、こちら側としてはその主要キャラは負けても生きていると思えるだけで作品を見る側としてはかなり気が楽なのである。

 

ガルパンについても、完全なるSFではあるが戦車が壊れることはあっても、戦車内の女子高生がダメージを受けることはない。これによって平和主義的な人間でも戦車戦を気軽に見ることができる。

 

要するに、主要キャラをいかに死なせずに話にメリハリをつけるかは非常に重要だと思う。勿論、主要キャラが死んでも全く萎えない人もいるとは思うが。

その点では、「宝石の国」はスリルを存分に味わうことのできる丁度いいラインで話が進んでいたと思う。宝石の国は他にも映像、音楽もかなり凝っていたのでそこだけが魅力ではないが。

 

個人的にはOPの作曲が照井順政、EDの作曲が鈴木慶一というのがたまらなかった。

作品を見るのはハードルが高いので、曲だけでも聞いてみるのもいいと思う。